腕時計の時間がずれる原因とその対処法
「腕時計の時間がずれていたせいで、大切な用事に遅れてしまった……」 こんな経験をしたことはないでしょうか。
一般的に時間にルーズな人は「だらしない」という印象を持たれてしまう可能性が高いです。
そのような印象を持たれないためにも、腕時計の時間は、正確である必要があります。
この記事では、腕時計の時間がずれる5つの原因と、それぞれの対処法を紹介します。
最近使っている腕時計の時間がずれるな と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
腕時計の時間がずれる原因5点
腕時計の時間がずれる原因は大きく5つに分かれます。
※対処法は後ほど詳しく紹介します。
ゼンマイの巻き上げ不足
腕時計の時間がずれる原因の1つ目は、ゼンマイの巻き上げが足りていないということです。
これは機械式腕時計にのみみられる原因です。
機械式時計は電池を動力源としている時計と異なり、巻き上げることによって力が蓄えられたゼンマイ がほどけていく力を利用して時計の針を動かします。
ゼンマイの力が弱まると針を動かす力も弱くなり、結果として時間がずれるということが起きます。
電池切れ
2つ目の腕時計の時間がずれる原因は、電池残量が少ないということです。
これはクォーツ式時計でみられる原因です。
時計の時間がずれる原理は上記のゼンマイと同じです。
電池残量が少なくなることによって針を動かす力が小さくなり、時計の時間がずれます。
もし電池が切れていた場合、電子切れの腕時計を放置すると液漏れし、腕時計が壊れて使用できなくなります。
詳しくは「電池切れの腕時計をそのまま放置するとどうなる?」の記事をご覧ください。
経年劣化
腕時計の時間がずれる原因の3つ目は、経年劣化によるものです。
経年劣化には、腕時計内部の部品 の消耗や潤滑油が切れていることや、クォーツ式腕時計のみにある電子回路が故障していることなどが含まれます。
購入して数か月しかたっていない場合は、経年劣化が原因だとは考えにくいですが、何年間も使い続けている時計の時間がずれるのであればその可能性が高いでしょう。
衝撃などによる部品の破損
腕時計を日常生活で使っていると、ぶつけてしまうことや落としてしまうことがあります。
腕時計は、小さなケースの中に何百個ものパーツが組み合わせられている精密機械です。
ふとした時に伝わった衝撃によって内部の部品が破損する場合や、部品同士の組み合わせが ずれる場合があります。
もし部品の破損やずれが起きると、正確に時間を表示することができず、結果時間がずれるということがあり得ます。
磁気帯び
電話・パソコン・コピー機・FAX・シュレッダーなどのOA機器や、電子レンジ・ これらの磁気が腕時計にも伝わり、磁石のようになる現象を「磁気帯び」といいます。
腕時計が磁気を帯びると、本来内部で独立していた部品がくっつくことや、逆にくっついていた部品が離れるなど、部品がずれる場合があります。
そうすると、 やはり正常に時計として動作することは難しく、時間がずれる原因となります。
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腕時計の磁気抜きとは?症状や対処法
腕時計の時間がずれる原因別・5つの対処法
ここからは上記で説明した5つの原因への対処法を、それぞれ説明していきます。
ゼンマイの巻き上げ不足への対処法
ゼンマイの巻き上げ不足への対処法は、ゼンマイの手巻きをして直すという非常にシンプルなものです。
このときの注意点として、機械式時計は基本的に誤差が生じるものであることを認識しておくということがあります。
電力によって動くクォーツ式時計と比較すると、機械式時計はやはり時計としての精度が低いです。
ゼンマイがほどける力を利用して針を動かしているので、どうしても1日ごとに数秒の誤差が出てしまいます。
機械式時計を使うときは、あらかじめ平均的に1日何秒のずれが起きているのかを計測して把握し、 一定の期間ごとに決まった巻き具合での調整をすることを心がけましょう。
たとえば、通常よりも大きなずれが起きた場合にすぐ察知できるように、リューズ(ゼンマイを巻く部分)を最後まで巻ききるなど、ご自身で調整の仕方を決めておくことをおすすめします。
電池不足への対処法
時間がずれる原因が電池不足の場合は、その時計がソーラー式電池と交換式電池のどちらを使用しているのかを確認しましょう。
ちなみに時計の電池不足の場合の兆候として、以下のような場合があります。
時計の電池不足の場合に見られる現象
・アナログ式電波時計:秒針が止まる、または急に数秒進むなど針が一定のリズムで進まない
上記のような兆候がみられた場合は、ソーラー式電池であれば天気の良い日に日光に当たる場所において充電をし、交換式のものであればお店に行って電池交換をしてもらいましょう。
経年劣化の対処法
時計の経年劣化の場合は、修理に専門的な知識や技術が必要ですので修理専門店に行くことをおすすめします。
内部の部品交換が必要な場合などは、「オーバーホール」とよばれる分解修理が必要です。
これはすべて人の手で行われる作業ですので費用が高くなります。
メーカーと腕時計専門の修理業者にどちらを利用するかによりますが、オーバーホールの費用相場は民間の修理業者で20,000円〜60,000円程度、メーカーの正規店で50,000円〜100,000円程度かかります。
相場で見ると最低でも修理に20,000円以上かかるので、時計によっては買い替えたほうが経済的に 良いときもあります。
衝撃などによる部品破損の際の対処法
衝撃などによる部品破損の場合も、修理の専門店に持っていくことがおすすめです。
先ほど説明した通り、腕時計はたくさんの部品からできている精密機械です。
破損した部品によってはオーバーホールが必要ですので、専門業者に頼みましょう。
磁気帯びへの対処法
磁気帯びした時計には「磁気抜き」と呼ばれる10日ほどかかる処置が必要です。
磁気抜きには、市販の磁気抜き器を使用する方法と、時計修理の専門店に持っていくという方法の2通りがあります。
磁気帯びの度合いが軽めである場合は、市販の磁気抜き器を用いた対処法がおすすめです。
しかし、手順を誤ると、 逆により磁気を帯びさせてしまう可能性があるので、説明書を読みながら落ち着いて行いましょう。
磁気帯びの度合いが重い場合や、大事にしている時計の磁気抜きをする場合は専門の修理店に持っていくことをおすすめします。なぜなら磁気帯びが重度である場合、オーバーホールが必要だからです。
また、磁気帯びしているかどうかやその度合いは方位磁石を用いて確認しましょう。
やり方は以下の通りです。
磁気帯びの確認方法
1.テーブルなどの水平な場所に方位磁石を置く
2.時計をゆっくり回転させながら近づき、方位磁石の反応をみる
3.針の動きがわずかであれば軽度、大きければ重度の磁気帯びだと判断できる
代表的な腕時計の故障例
腕時計は精密機械であるため、故障の症状はさまざまなものがあります。 故障かどうかを判断するためには、どんな症状があるかを把握する必要があります。
腕時計の代表的な故障の症状7つとそれぞれの原因
こちらの記事では、腕時計の故障の症状やそれが起こってしまう原因などを紹介します。 腕時計をできるだけ長く使いたいという方や、故障のような症状があって不安に感じている方はご覧ください。
腕時計の時間がずれる原因がわからないときは専門業者に相談しましょう
ここまで腕時計の時間がずれる原因とそれぞれの対処法について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
精密機械である腕時計は、ささいなことがきっかけで時間がずれるかもしれません。
お使いの腕時計の調子が悪く、ご自身でその原因が判断できないときは、専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。
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