腕時計の風防の種類ごとの特徴やトラブルの際の対処法
目次
腕時計に使われる風防(ふうぼう)をご存じでしょうか。
風防とは、腕時計の文字盤を覆うガラス面のことです。
傷や破損など修理が必要になりやすいパーツの一つで、使用していた腕時計の表面にいつのまにか傷がついていた経験がある方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は風防の種類や破損する原因、修理する際に押さえておきたいことなどを紹介します。
腕時計の風防についてお調べの方はぜひ本記事をご覧ください。
腕時計の風防とは
腕時計の文字盤を覆うガラス面のことを風防といいます。
風防には、ほこりや水などの異物が腕時計の内部に侵入することを防ぎ、衝撃や水圧の影響を和らげる目的があります。
風防の強度は、どんな材料を使って作られているかによって変わります。
強度が高い材料を使っているほうが、傷がつきづらくなります。
ただし、強度の高い素材を使っていたとしても衝撃には弱いため、硬い場所に強く打ち付けるなどすると破損しやすいという点には注意が必要です。
腕時計の風防の種類
腕時計の風防に使われている材料にはミネラルガラス、アクリルガラス、サファイアガラスの3種類があります。
それぞれの特徴を紹介します。
ミネラルガラス
ミネラルガラスは、3つの材料の中で唯一ガラスを原料とした風防の材料です。
価格が5万円前後ぐらいの腕時計の風防に広く使用されています。
多くの腕時計に使われる理由は、原料が比較的安価で加工しやすいためです。
硬度はそれほど高くないため、傷ができやすい点が欠点といえます。
サファイアガラス
サファイアガラスは、アルミナと呼ばれる鉱石を原料に作られる材料なので、厳密にはガラスではありません。
原料のコストが高く加工が難しいことから、主に高級ブランドの腕時計に使われます。
他の2つの材料に比べて硬度が高く、傷が最もつきにくい材質です。
アクリルガラス
アクリルガラスは、プラスチックを原料とした風防の材料です。
サファイアガラス同様、厳密にはガラスではありません。
1940年〜1960年頃に作られた腕時計によく使われていました。
現在では、レトロ感を演出できるとして、アンティーク風のデザインの時計などで使用されることがあります。
3つの材料のなかで硬度が最も低いため、一般的な風防の材料には採用されづらいです。
風防が破損する原因
普段お使いの腕時計の風防が、いつの間にか割れてしまっていたことはないでしょうか。
風防は衝撃に対して強いわけではないため、破損してしまうことがよくあります。
主な原因として下記の3点が挙げられます。
風防が破損する主な理由
・腕に着けたまま壁などにぶつけてしまった
・高い位置から床に落としてしまった
・重いものの下敷きになってしまった
腕時計は普段から身に着けているものなので、日常の生活の中でつい注意がそれてしまったタイミングなどで風防が割れてしまうことがあります。
風防の交換・修理をしたほうがいい症状
風防の交換や修理をしたほうがいい症状について紹介します。
風防が割れてしまった
先ほど紹介したように風防は簡単に破損する可能性があるパーツです。
ひび割れなどがあった場合にはすぐに修理業者に持っていき交換対応をしてもらいましょう。
内側に結露が発生し曇ってしまった
腕時計の風防に結露や曇りが発生してしまうことがあります。
急な温度差で一時的に結露が発生したという場合であれば、自然現象のためあまり心配はいらないでしょう。
しかし、長時間経っても結露がなくならない場合や、温度差がないにもかかわらず曇っている場合は修理が必要です。
なぜなら、部品の経年劣化や風防についた傷などが原因の可能性があるためです。
【関連記事】
腕時計の表面に結露や曇りができる2つの原因
表面に傷がついてしまった
固い材質の壁 にこすってしまった場合などに、風防の表面に傷がつくことがあります。
こういった傷を、自分で研磨し修復をするという方もなかにはいるかもしれません。
しかし自分で対処することによって、さらに傷がついてしまう可能性があるのでおすすめしません。
長く腕時計を使用されたい場合は修理業者に修理を依頼したほうが無難といえるでしょう。
【関連記事】
腕時計のガラスに傷がついたときの対処法
風防の交換ができない腕時計の種類とは
風防の 交換や修理をしてもらいたい場合は、メーカーや腕時計の修理専門店に持っていくことで対応してもらえます。
しかし、腕時計の構造などによっては交換の対応をしてもらえない場合があるので、注意が必要です。
ここでは、風防 の交換ができない可能性のある腕時計の特徴を解説します。
防水機能が備わっている
防水機能が備わっている腕時計は風防の交換をしてもらえない可能性があります。
これは、防水機能のついている腕時計は高い密閉性によってその機能を維持していることに理由があります。
風防の交換を行うことで、当初の密閉性を再現することが難しく、防水機能を維持できなくなってしまう可能性があるからです。
特にダイバー用などの高い防水機能をもっている腕時計は、風防の交換を行ってもらえない場合があるので注意しましょう。
風防の取り付けられ方が特殊である
腕時計のなかには、ベゼルと呼ばれる特殊なリング状のパーツで、風防を固定しているタイプがあります。
たとえば、ストップウォッチ機能のついたクロノグラフタイプなどが該当します。
このタイプは取り付けに特殊なパッキンを使用していますが、このパッキンが市場に出回ることはあまりないため、基本的に交換ができません。
風防の交換はメーカーと修理専門店どちらに依頼する?
風防の交換を、メーカーと修理専門店のどちらに依頼するか迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
メーカーに交換や修理を依頼するメリットは、修理専門店では入手できない希少なパーツを取り扱っている場合があることです。修理専門店では修理の対応が難しい場合も、対応してもらえるかもしれません。
メーカーに依頼するデメリットは、一般的にメーカーは修理専門店よりも交換や修理にかかる費用が高い傾向にあることです。
場合によっては修理専門店の倍の金額がかかってしまうことがあります。
修理専門店は、修理にかかる費用を大幅に抑えられる可能性が高いという点がメリットです。
また、お住まいの近くにそういったお店があれば、遠出する必要なく手軽に対応してもらえる点も便利でしょう。
しかし、希少なパーツを使っている腕時計や元々の防水機能が高い時計の修理対応をしてもらえない可能性もあるので注意が必要です。
風防の交換・修理にかかる費用
風防の交換を修理店に依頼する場合、 お店や腕時計の種類などの条件によって費用は変わります。
ここでは修理専門店に依頼する場合の費用の相場を紹介します。
修理専門店で風防交換にかかる費用の相場
・ミネラルガラス:10,000円〜
・サファイアガラス:15,000円〜
・アクリルガラス:6,000円〜
風防の交換は、専門の技術者に相談しましょう
ここまで腕時計の風防の種類や破損する原因などを紹介しました。
風防の種類によっては傷がつきにくいものもありますが、基本的に衝撃には弱いため破損に十分注意して使用しましょう。
もし、破損してしまった場合には、修理業者に依頼してしっかり直してもらうことをおすすめします。
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